Googleの決算を見るに、従来のディスプレイ(バナー型)広告の終焉は近いのかもしれない
Googleの親会社であるAlphabetの、第3四半期の決算が発表されたようだ。
これによると、広告クリックの総数は前年同比で33%増加したものの、パートナーサイトでの増加はわずか1%に留まっているとのこと。
Googleの検索結果に出てくる広告のクリック数は伸びているが、AdSenseによってパートナーサイトに掲載される広告のクリック数はほとんど伸びていない、ということになる。
その上、クリック単価はパートナーサイトで14%も低下しているので、AdSenseの収益は停滞傾向にある、ということのようだ。
継続するクリック単価の低迷傾向
モバイル端末の普及以来、クリック単価の低迷はよく言われるようになっていたが、その傾向に歯止めがかからず、従来のバナー画像などを表示するディスプレイ広告が行き詰まりつつある、ということなのだろう。
ディスプレイ広告はPCでの広告表示に最適化されており、画面を広く使えることを前提に構成されているので、モバイルがメインになった今では、もう時代遅れになっている。
そのためにAdSenseでは「ページ単位の広告」を導入して、全画面広告を出したり、ページの最下部に追従するバナー広告を出せるようにするなど、新しいプロダクトの開発に着手している。
しかしこれらの広告はユーザーから嫌悪感を抱かれることが多く、そこまで収益の向上に寄与するかには疑問を感じる。
ネイティブ広告の増加
最近では、よりサイトのコンテンツになじむ姿で広告を表示できる「ネイティブ広告」が増えてきているようだが、広告で収益を得ようとする側も、環境の変化に対応して色々と工夫をこらさないといけない時期に入ってきているように思える。
Googleの検索結果に表示される広告はまさにネイティブ広告だが、あちらは好調であるのなら、AdSenseでもよりサイトの表示になじむで姿で広告を表示できるよう、カスタマイズ性を高めた広告タイプを用意してもらいたい。
おそらく既に着手しているとは思うが、いつ実際に使えるようになるかが問題だ。
もしもAdSenseで導入されないようなら、それができる広告プラットフォームへの乗り換えも必要になってくるだろう。
(私が知らないだけで、既にそういうプラットフォームはあるのかもしれない。)
今後のサイト運営者に必要になること
サイトの運営者にとっては、広告をカスタマイズするため、HTMLやCSSの知識を備えることが必要になってくる。
もちろん資金に余裕があるのなら、代わりにやってくれる業者は見つけられるだろうけれども。
Google Adsenseの審査が厳しくなっているそうだけど、それはたいした問題でもない
Google Adsenseの審査が昔よりも厳しくなっていて、ちゃんとしたサイトを既に完成させている人にしか、広告の掲載を許可しなくなっているらしい。
私が申し込んだのはいつだったかな、と思って調べてみたら、なんと2009年だった。
その頃からGoogle Adsenseは稼げるらしい、という情報が出回るようになっていて、とりあえず申し込むだけ申し込もう、と思ってアカウントだけ作っておいたのだった。
当時はWordPressで5ページくらい、ちょっとした日記レベルの記事を書いておくだけであっさりと審査に通ったので、おそらくほとんど誰でも審査に通る状態だったと思われる。
あの頃はまだ登録者の数が少なかったので、広告を掲載してくれるサイト運営者を増やすことが優先されていたのだろう。
それから時が流れ、十分に登録者の数が確保されたことで、安易に掲載を許可しない、という方向に舵が来られたようだ。
Google Adsenseの収益の半分くらいは300人のサイト運営者が稼ぎ出しているそうで、実は少数精鋭の世界だったりする。
全体で10万人くらいが参加しているそうなので、0.3%の運営者が50%の収益を稼いでいるわけだ。
残りの9万9700人の運営者の合計収益が、上位300人と同等ということになる。
なので、今さらやたらと登録者の数を増やすことに意味はなく、質の高いサイトを作れる運営者に限って許可を出していったほうが効率がいい、という判断になったのだろう。
どのみちたいしてPVがないサイトにAdsenseを貼ったところで収益は出ないので、なかなか審査に通らないからといっても焦る必要はない。
何度も申請して通る通らないに一喜一憂するよりも、時間をかけてきちんとしたコンテンツの数を揃えることを優先した方がいい。
そうやってサイトができあがり、PVが安定して得られるようになれば、自ずと審査に通るようにもなっているはずだ。
楽して審査に通過している人間に言われても説得力がないと思われるかもしれないが、PVがあってこそ収益が発生するわけで、Adsenseを貼りさえすれば収益が発生するわけではない。
私は今年に入ってから真面目にサイトを作り出して収益が上がるようになってきているが、それまでの6年間はほとんど収益を得ていなかった。
なので、まずはPVが得られるだけのコンテンツ作りを行わないと、何も始まらない。
はてブとかで馴れ合ってPVを集めていても、いずれは頭打ちになるので、そちらの方法はお勧めできない。
PVを増やしていくには、自分のことをまるで知らない人たちにも評価される必要があるからだ。
そうでないと、新規の訪問者は増えていかない。
訪問者が満足するコンテンツをどうやったら作れるのか? そこに意識を集中して活動していかないと、長期的に収益を得ることはできないだろう。
これはGoogleもよく言っていることだけど、そうする以外に方法がないし、収益も伸びないから「良いコンテンツを継続的に作ってください」と繰り返しているのだろう。
ページ分割はそれほどSEO的にマイナスにはならないっぽい?
先日からこういう実験をしてみている。
8400字ほどの記事を、およそ2000字ごとに分割し、4ページに分ける。
それで検索順位は変動するのかどうか、という実験だ。
ページ分割をすれば、4ページに増えた分だけPVが増えるし、長文を一度に読まなくてすむようになるので、スマホでの閲覧のユーザビリティが上がるのではないか、という目論見を持っていた。
私の書く文章はつい長くなってしまうので、スマホでの閲覧はけっこうしんどいのではないか、というのが以前から気になっていて、ページ分割をやってみることにしたのだ。
しかし1ページ目の文字数は大きく減少するため、評価が下がって検索順位が下がるかもしれない、という懸念もあった。
なので、それほどアクセス数が多くないページで実験してみることにした。
そして実際にページ分割をしてみてから一週間が経過したのだが、なぜかわからないが検索順位は上昇した。
具体的には7位から5位に上昇した。
それにともなって検索流入が増え、ページ分割の効果もあって、そこそこのアクセス増になった。
各ページはlinkタグに rel="next" rel="prev" をつけてつないでいるので、検索エンジンからは、ひとつなぎのコンテンツとして認識されていると思われる。
だから検索順位は変動しなかった、というのならわかるのだけど、どうして上がったのかはわからない。
他のコンテンツでも、2000字くらいで上位表示されているものがあるので、一定以上の文字数は、さほど検索順位に影響しないのかもしれない。
最近は上位表示狙いで中身のない長文を載せるサイトもあるらしいから、Googleが文字数の評価の優先度を下げている可能性もある。
ページ分割をしてからまだ一週間しかたっていないので、この先さらにどう変動するかはわからない。
なので、そういうこともあるのか、という程度の認識で読んでいただければ幸い。
記事のページ分割をしてみた結果、PVが増えて再訪問するユーザーも増えた
私はとあるブログをひっそりと運営している。
ブログではあまりやらないことだろうけど、最近は記事のページ分割を行っている。
長い記事などを複数ページに分けて表示するアレのことだ。
ニュースサイトなどではよく用いられているのだけど、ブログでやっているところは少ない。
SEOを考えると、おそらく分割しない方がページへの評価は高くなる。
テキスト量が多くなるし、キーワードも増えるし、ページを切り替える手間がかからない分、ユーザビリティも上がる。
分割を嫌うユーザーもいるようなので、そのような人は私のサイトを読まなくなるだろう。
それなのになぜ分割したかというと、私の書くテキストは長いからだ。
短いものでも4,000字あるし、長いもので10,000字以上ある。
これを1ページに表示して一気に読むのは、特にスマホではかなりしんどいだろう。
私のサイトではスマホからのアクセスが70%くらいなので、ページ分割をした方が読みやすくなるのでは? と思ったのだ。
分割すれば切れ目ができるから、そこでちょっと読むのを休めるし、そのタイミングでいったん読むのをやめて、後から続きを読んだりしてもらえるのでは、とも期待した。
で、実際に記事のページ分割をしてみた。
WordPressでははじめからページ分割の機能が搭載されており、コードを埋め込むことで簡単に実装できる。
詳しくは以下の記事を参照されたし。
だいたい1ページにつき2000字くらいになるように調整した。
分割を始めてからGoogle Analyticsで解析をしたところ、まず1セッションごとのページビューが増えた。
それまでは1.5くらいだったのが2になった。
これはまあ分割したのだから、当然の結果だ。
それにともなってPVもだいぶ増加した。
そしてReturning Visitor(再度訪問したユーザーの割合)も増加した。
以前は20%くらいだったのが、30%まで増えている。
これは狙い通りに、途中で読むのをやめて、後から戻ってくるユーザーが増加した、ということなのだろう。たぶん。
この結果、長い文章を最後まで読んでくれるユーザーが増加したのではないかと想像している。
PVが増えても広告のアクティブビュー率はさほど変化がないので、単純に収益増にもつながっていくと思われる。
というように、今のところメリットは大きいのだが、1ページあたりの文字数が少なくなったことにより、検索順位が下がり、流入数が減っていく可能性はある。
今のところ大きな影響はないようだが、このあたりは長期的に検証を続けていきたいポイントだ。
分割の方がメリットが大きければ、引き続きこれを行っていくことにする。
※追記(2019/2/16)
その後ずっとページ分割を続けているのだけど、SEO的には特にマイナスにはなっていないようだ。
大手のサイトでも分割はよく行われているし、分割した方が何かと得だというのがコンセンサスになっているのだろう。
googleの検索順位を決めるアルゴリズムを作っている人の中には、過剰なページ分割を嫌っている人もいるようなので、数百字ごとに分割といったことは、しない方がいいと思う。
はてブのコメントを見ていても、分割しすぎのサイトには不満を述べている人をしばしば見かける。
あくまで記事が長いから分割するのであって、分割のために分割をすると、ユーザーの利便性が下がり、ページ遷移がわずらわしいと感じる人が増えるので、そのあたりは気をつけた方がよいだろう。