アクティブビュー視認率の改善によって収益も改善してきた、という話
ひっそりと長文を掲載するサイトを運営しているのだけど、AdSenseのアクティブビュー視認率が低いのが問題点となっていた。
「アクティブビュー視認率」ってわかりにくい用語だけど、要するにユーザーが実際に広告を目にしたかどうかの割合のことだ。
たとえばページの上の方にある広告はユーザーの目に触れる機会が多いので、この指標が高くなる。
この指標が高いと、掲載される広告の単価が上がる傾向にある。
広告主からすれば、なるべく頻繁にユーザーの目に触れる場所に広告を出したいわけで、アクティブビュー視認率が高い広告ユニットの方が、より高単価の広告が出稿される傾向が強くなる。
このため、アクティブビュー視認率の向上が、収益の向上にもつながるようになっている。
(アクティブビュー視認率は、AdSenseのパフォーマンスレポートの項目で確認できる。)
スマホ対策でページ分割をしてみた
スマホでは数千字の記事は最後まで読まれにくく、必然的に記事の下部に配置する広告が見られにくくなる。
この結果、アクティブビュー視認率が下がり、広告単価も低くなりやすい。
これを改善する目的もあってページ分割をしてみたのだが、今のところうまくいっている。
例えば8000字の記事を4分割して、2000字ごとに読めるようにした。
そしてページネーション(ページ遷移のためのボタン群)の上に広告を出すという、ユーザーにとってはちょっと不便な配置にしたところ、アクティブビュー視認率が大幅に改善された。
(つまり、ページ遷移をする前に、必ず広告を見ないといけないようにしている)
ページ分割をしたことによって、そのページの最後までユーザーがスクロールする可能性が上がり、広告が見られる率も向上したことになる。
結果として、アクティブビュー視認率が15%くらい向上した。
これによってクリック単価もクリック率も改善され、全体的に収益増につながっている。
分割の検索順位への影響
長文が評価されて検索上位に表示されているのだとすると、分割したことによって順位が下がるのではないかという懸念があったのだが、今のところ影響はないようだ。
いくつかのコンテンツで試してみたが、むしろ分割後に順位が上がっているページがあるくらいなので、どうやら問題はないようだと判断している。
ただし、link rel="prev"や"next"のタグで、分割ページをつなぐことが必要だと思われる。
これをやっておかないと、分割ページがGoogleから重複コンテンツとみなされるそうで、検索順位に悪影響を及ぼす可能性が高い。
長文がトレンドのようだけど、ページ分割する手がけっこう有効かも
昨年あたりから長文の方が検索上位に出やすいというデータが出回っていて、SEOを意識する人たちは、長文コンテンツを作ることが増えているようだ。
(Welqみたいな極端な悪用例も出てきたので、このアルゴリズムも遠からず変更を受けるだろうけれども。
おそらく長文の重み付けが減少すると思われる。)
しかし長文はスマホとの相性が悪く、離脱率や直帰率が高くなりがちで、この点がネックとなっていた。
それを解消する手段として、ページ分割によってそのページの最後まで目を通してもらえる率を上げたのだが、この施策は同時に広告収益増をはかる上で有効だということがわかった。
実装の結果、かえって広告収益が悪くなるケースもあるかもしれないので、(過度な分割がページ評価を下げるとか)やる場合は自己責任でどうぞ。
WordPressでのページ分割の仕方(参考にした他サイト)
Welqによる長文検索スパムについて書いた記事