AdSenseの関連コンテンツユニットを使ってみたけれど、すぐに外した
しばらく前にAdSenseの「関連コンテンツユニット」が使えるようになっていたので、試しに設置してみた。
関連コンテンツユニットはその名の通り、設置したサイトの関連コンテンツを表示するユニットで、コンテンツへのリンクに混じって広告が3つ程度表示されるようになっている。
広告も関連コンテンツへのリンクも見た目が同じなので、ユーザーにとって違和感なく広告が視認され、サイトに溶け込みやすくなっている。(のが良くも悪くもある)
設置には条件があるようで、すべてのAdSenseユーザーに解放されているわけではなく、Google側が許可したサイトにのみ表示できる。
許可されるかどうかは、記事とPVの量が影響するようだが、基準は明確にはなっていない。
Googleが言うには、このユニットによってPVが9%向上し、滞在時間も伸びるそうなのだが…。
クリック率は高く、単価が低い
導入してすぐにわかったのが、このユニットのクリック率はかなり高い、ということだ。
設置して数時間ですぐに数クリックされ、CTR(ページビューに対するクリック率)は向上した。
広告とコンテンツへのリンクのデザインが同じなので、ユーザーからするとクリックへの抵抗感が低いのだろう。
しかしクリック単価がかなり低い。
他の広告ユニットに比べて1/4程度の単価でしかなく、収益には結びつかないどころか、マイナスになると感じた。
(実際に、設置した日のRPM(ページビューに対する収益率)が大幅に減少している。)
低い単価で他のサイトにユーザーが移動してしまうと、サイト内の他のコンテンツや広告が閲覧されることで得られたはずの収益を、取り逃すことになる。
なので単価の低い広告は一切貼らない方がいいのだが、関連コンテンツユニットはこの原則に反していた。
実際、関連コンテンツの下に設置している高単価の広告ユニットのアクティブビュー率が下がっていて、収益にマイナスの影響が発生しているのが確認できた。
誤クリックが多いのでは?
関連コンテンツへのリンクと同じデザインで広告が表示されるので、クリック率は高いのだが、その分だけ誤クリックも発生しやすいのではないかと思えた。
広告リンクには「広告」という文言が表示されてはいるが、広告とサイトの記事のマッチング率が高ければ高いほど、サイト内のコンテンツだと誤解してクリックするユーザーも増えるのではないだろうか。
それゆえにクリック単価が低いのだと考えると、辻褄は合う。
誤クリックをして楽しい気分になるユーザーはいないので、この点も関連コンテンツユニットは使用しないほうがいいのでは、と思わせられる懸念点になっている。
デザイン性が低い
関連コンテンツユニットは自動的に記事の画像を取得してその一部を表示し、記事のタイトルも表示するのだが、このデザインがよろしくない。
画像の一部が機械的に表示されるため、人物画像の頭が切れていたり、タイトルが途中までしか表示されていなかったりして、何の記事なのか判別しにくいものが多かった。
中には他の記事の画像が表示されているケースすらあった。
ユーザビリティの低下が懸念されるし、「このサイトは質が低い」という印象をユーザーに与えかねない。
また、「レスポンシブ」の設定で表示すると、スマホの場合かなり縦に長くなり、画面を専有しすぎるという問題も生じている。
関連記事の数や表示の仕方など、こちら側でもっとカスタマイズできるようにならないと使いにくいと感じた。
ユニット全体のサイズを自分で指定することもできるが、スマホの場合はブラウザの横幅が機種によってだいぶ違うので、レスポンシブでないと設置しにくい、という問題もある。
元々関連コンテンツを表示していたため、PVの向上は見込めない
私のサイトでは元々関連コンテンツを表示していたため、PVの上昇には結びつかなかった。
むしろデザイン性が下がっていることと、低単価で高クリック率の広告が、マイナスの影響をもたらした。
これまで関連コンテンツを表示していなかった、という人は使ってみてもいいかもしれないが、自分でもっと見やすい関連コンテンツへのリンクを作り、表示した方がいいように思える。
今後デザイン性やカスタマイズ性が改善されたら、広告抜きで使うのはありかもしれない。
コンテンツ間の関連性の精度を高めるのは、Googleが得意な分野のはずなので、この点では期待できると思う。
サイトにもよるだろうけれども
というわけで、私のサイトでは関連コンテンツユニットは使わないことにした。
サイトによっては機能する場合もあるのだろうし、あくまで個別のサイトのケースでしかないので、そのあたりはご注意いただきたい。
それにしても、この関連コンテンツユニットは、AdSenseのポリシー(広告とサイトコンテンツのデザインを似せることで、ユーザーに誤認させてはいけない)にGoogle自身が反しているようにも思えるのだけど、どうなのだろう。
クリック単価の低さを見ると、やはり問題を抱えているように思える。
その後、WordPressのテーマを変えた関係で、関連コンテンツユニットを使うようになりました。(・ω<)